金曜日, 3月 13, 2009

名前

 ルティシア(CIRADの女性研究員)の後輩(ドイツ人と中国人)がミュンヘンから訪問中です。彼女はミュンヘンでポスドクをしていました。夜、レストランで食事会をしたのですがひょんなことから名前の話になりました。

 フランスではかつて自由に子供に名前をつけられなかったそうなのです。市長が検閲していたとか。道理でみんなよく似た名前になるわけです。私の友達のフランソワは典型的なフランス人の名前です。でもFrançoisを正しく発音してもらえないことがあるらしく(フランコワとかフランコイとか)それが悩みのようです。ただ最近は自由に名前がつけられるようになったおかげでとんでもない名前が出現しているようです。フランソワのアルゼンチンの友達の子供の名前が○○なんだそうです。アルゼンチンではどういう意味になるのかわかりませんが、とても本名では呼べない名前です。

 日本人の名前はどうなっているのかと聞かれたので、多くは漢字にもとづいていて、漢字は意味を表していて、両親がいろいろ考えてつけるのだという話をしました。私の名前にはこういう意味があると言うことも紹介しました。横に座っていた中国人に漢字を書いて見せたところすぐ理解してくれました。ちょっと感動です。

 彼女(中国人)の名前も漢字で書いてもらいました。日本の漢字の恵に相当することがすぐわかりました。お互いに理解して漢字文化圏同士で少し盛上がってしまいました。これをフランス人に説明すべく自分が肌身離さず持ち歩いている電子辞書で調べて見せたところ彼らはそこにbénédictionと言う単語をめざとく見つけました。恵はベネジクトに対応するのだねとフランス人たちも妙に納得していました。法王の名前にもベネジクトは使われています。

 フランス語はラテン語から派生した言語ですが、フランソワがかつてイタリア語は何となくわかると言っていたことがあります。これはきっと日本人が中国語のWebサイトなどを見ても何が書いてあるか何となくわかるというのに相当するのかもしれません。共通の文化があるのはすばらしいものです。さらには子供につける名前は意外と世界共通するものがあるのかもしれません。なので典型的な名前なら翻訳ができるのかもしれませんね(例えば恵ならベネジクトと訳すとか)。インドネシアの友達にサプトという人がいますが、これは7番目の息子という意味だそうです。これは日本流に直せば七郎といったところでしょうか。