日曜日, 12月 01, 2013

「エピゲノムと生命」太田邦史著

 ブルーバックスの本である。前書き2ページほど源氏物語の話でスタートするのである。何の本を読んでいるのかわからなくなり、おもわず表紙を見返した。私は確かに「エピゲノムと生命」という本を読んでいる。源氏物語に登場する人物の衣装の話で始まるわけである。ここからDNAも裸ではなく服をまとっているという話の展開である。実に面白いと思った。前書きだけでなく随所にいろいろなたとえ話がでてくるのでイメージがしやすく最後まで読み通すことができた。
 親がどういう生活や子育てをしたかがエピゲノムに記録されるらしく(第9章 世代を超えたエピゲノムの継承)、「親がどのような生活をしたかで、子の人生に影響が及ぶというのが、科学的な根拠をもって語られる時代になってきた」(p253)とは、びっくりであった。育児放棄や児童虐待、社会の階層化までエピゲノムの影響があるとしたら、その影響を真剣に考える必要がありそうである。ただしエピゲノムの記録は可逆的で書き換えることもできることに「希望の光」がみえるという。

土曜日, 11月 30, 2013

台湾人生

酒井充子監督インタビューの一こま

「映画作りの大変さを100とするとその中の90,9割方は、大変だったのは編集、で、取材の時って言うのはその方に話を聞くっていうことに集中するっていうことでよかったんですけれども、今度はそれを自分でつなげていく作業になるので。で、撮ってきた映像、みんな大切な、わけですから、それを、そいでいく作業っていうのは、なんかこう、はじめてこう身を切られる思いっていうのを実感したというか、ほんとに大変でしたね、それは。」

「台湾人生」は監督のデビュー作品だったようだ。最多の義損金を送ってくださった台湾。その台湾の方の複雑な思いが伝わってくる。映画の内容とは関係しないのだが、ここに引用した監督の言葉に共感するのは、自身の仕事に置き換えて共通する部分を感じたから。まとめる仕事は大変。現場では、その作業中に集中していれば良い。でも最後は、余分な部分をそぎおとしつつ、全体をいろいろ考えてまとまりのあるものを作っていく。この過程は苦痛なこともある。完成品を見るように作れるようになりたいものだ。ただ無駄なことをして初めて、最後に残るものの価値もわかるというもの。ちょっとした葛藤があります。



土曜日, 11月 09, 2013

江戸東京博物館

 フランス人の友達が日本に遊びに来た。あいにく天気が良くなかったので江戸東京博物館に行ってみた。ちょうど三味線と尺八のライブを聞くことができた。いくつかの楽曲を演奏しながら、楽器の仕組みとか歴史とかも説明してくれる。日本語なので外国人には理解するのは難しいかもしれない。最後に会場からのリクエストに即興でいくつか曲を演奏してくれた(何をリクエストされるかわからないので一番緊張する場面とのことだ)。ジブリのアニメソングは外国人もよく知っていて、リクエストがあった。一芸に秀でるというのは素晴らしいものだと思う。
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土曜日, 4月 27, 2013

中国土産

どこの国でも最も無難な土産はチョコレートである。ただ中国の場合、常識は通用しないようだ。先日初めて行った中国の国際空港の売店で買ったチョコレートがこちら。

当然この箱の絵を見れば天津甘栗にチョコレートがコーティングしてあると思う。しかし現実は

チョコレートの中に栗のかけらが入っているというしろもの。

松の実のチョコレートにしてもこのざま。

たくさんの松の実をチョコレートがくるんでいるように見えるが
実際はチョコレートの中に松の実が一粒はいっているだけ。
チョコレートの味の方も今一で、正直おいしくない。売店の店員は「これとてもお得」「日本人みんな買ってく」とうるさかったが、チョコレートなら無難だという考えは通用しなかった。
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日曜日, 2月 03, 2013

立春

  昨日は各地で今年の最高気温を記録したところが、ありました。20度近くまで気温が上昇したところもあったようです。梅のつぼみも膨らんだようです。
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月曜日, 1月 14, 2013

紅の豚

 昨年、飛行機の中で見た映画に紅の豚がある。このアニメ自体は以前に見たことがあったけれど、ほかの映画に気が引かれなかったので紅の豚ばかり2〜3回見ていた。何がいいのか聞かれても、言葉で説明するのは難しい。マルコが格好いいというのが主な理由である。それでいてなんとなく郷愁が漂っているところもあって味がある。いちいちうんちくを語っていると日が暮れるので、お気に入りの場面を一つだけ記しておく。

 アメリカ野郎に追撃されたマルコがジーナに電話で無事を知らせる場面がある。そこでの会話
ジーナ:「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。私いやよ、そんなお葬式」
マルコ:「飛ばねえ豚は、ただの豚だ。」

 このマルコの台詞は自身の職業に誇りを持っていなければ出てこない台詞である。 信念と使命のもとに仕事に命をかける男の台詞。 少し格好つけてるところもあるけれど、なかなかしびれる場面である。 私は、そう思うのだが、ここのどこが格好いいのかよくわからない、馬鹿じゃないと思う人もいるだろう。 事実、ジーナはこれに対して「ばか」と言って電話を切っているのだ。

 ところでこの場面はフランス語ではどう訳されているのか気になるところである。字幕は以下の通り。
"Marco, tu vas finir en rôti de porc... épargne-moi Ça!"
"Je suis un cochon, mais je vole"
おおよその訳は
「マルコ、あなたはローストポークになっちゃうよ。それは勘弁して」
「私は豚だけど、私は飛ぶ」

 フランス語吹き替えのマルコ役はジャン・レノであるが、実際に耳から聞こえてくる台詞は以下のようだ。
"Et puis, si tu ne fais pas attention, tu vas finir en rôti de porc. Je veux pas que ça t'arrive Porco, je veux pas..."
"Tu voudrais que j'arrête de voler pour faire du lard?"
おおよその日本語は
「それから、注意しないと、ローストポークになっちゃうよ。そうなってほしくないの、ポルコ・・・」
「ラードを作るために飛ぶのをやめてほしいのか?」

 字幕の方が、字面からは日本語に忠実そうに見える、しかし何か変。一方のジャン・レノはフランス人らしくエスプリをきかせてお返したのか?


[おまけ]
英語版を見てみた。まず、字幕は
"Someday you're going to be a pork roast. I don't want to go to your funeral."
"A pig's gotta fly."
"Idiot!"
吹き替えは
"Keep up the way you are going, and you are going to be roasted pork, and I don't want that to happen."
"A pig that doesn't fly is nothing but grounded pork."
"Jerk"
英語の吹き替え版はなかなか面白い。「飛ばない豚は単なるひき肉さ」
なかなかいい味が出ている。

火曜日, 1月 01, 2013

謹賀新年

  元旦はよい天気で富士山が大変きれいでした。良い年になりますように。
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