日曜日, 11月 30, 2008

ワイン祭り

 28日から30日までコメディ広場でワイン祭りが開かれます。モンペリエの41のワイン生産者の方がブースを出しています。2ユーロでワイングラスを買えば3回の試飲券もついてきます。試飲は生産者によってはタダなので結構いい加減です。写真は28日の金曜日の様子ですがものすごい人でごった返していました。この凱旋門のような入り口をくぐると中に小屋があって、一つの小屋に一生産者が入っています。ワイン祭りのような催し物は初めての体験だったのですが、これは非常に忍耐力がいります。それは、おいしいワインを如何にして飲まないようにするかです。試飲といっても結構グラスに並々とそそがれますから、それを全部飲んでしまうと、数件のブースを回るとほとんど酔っぱらってしまって、ご馳走様の境地に達してしまいます。そのためにちゃんと余分のワインを捨てる容器も用意されているのですが、はじめのうちは捨てることができなくて飲み干していました(でも3件目で諦めて遠慮なく捨てさせてもらいましたが)。いろいろ試飲ができるので品種による味の違いや同じ銘柄でも年が違うと味が違うことなどが本当によくわかります。自分の好きなワインを見つけることができて、わざわざドメーヌ(ワインの生産元の蔵)まで足を運ばなくてもワインを購入できるのは車を持っていない我が身としては、とてもありがたいです。
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木曜日, 11月 27, 2008

映画祭り

 知り合いの日本好きのフランス人に誘われて日本映画を見に行ってきました。第3回FESTIVAL DU FILM JAPONAISなるものが行われているようです。6ユーロでしたから日本より安い感じです。見たのは「めがね」。登場人物がみんなめがねをかけていました。ずっとメガネの意味を考えながら見てしまいましたがそのメガネには特に意味はなさそうです。南の島が舞台であることはすぐわかりました。主人公は「○空港」に降り立つのですが、○の部分が微妙に欠けていてロケ地はどこなのかと想像力がかき立てられました。
 スクリーンの下部にフランス語の字幕が出るのでどう訳されているのか興味をもって見ていました。映画の中で、かき氷を食べた後、「ごちそうさま」と言って器を店の主人に返すのですが、フランス語訳は一通りではなく「おいしかった」とか「ありがとう」と訳されていました。「おいしい」にもいくつかの単語が使われていたのは少し新鮮でした。反対に「いただきます」は教科書通りフランス語と日本語でほぼ一対一の対応になっていました。
 日本語では主語がなくても文が完結しますが、フランス語には必ず主語が必要で、これまた日本語を勉強するフランス人にとってはとても難しいのだそうですが、やはりフランス語の字幕では主語が補われていました。映画では初っぱなに「来た」とだけ登場人物がつぶやくので、飛行機の映像と合わせて何が来たのかを想像力をたくましくして考えますが(プロペラ機だったので戦時中の物語なのだろうかとすら考えてましたが)、フランス語の字幕に「彼女が来た」とはっきり書かれているのをみてしまうと、少し興ざめしなくもないですね。
 文化的なことからすると、映画の中では食卓を囲んで登場人物たちが、おそらく単に茹でただけの大きなエビ丸ごとをテーブルの上で素手で頭胸部を取り、殻をむきながらかぶりつくシーンがありますが、手の込んだフランス料理をナイフとフォークで上品に食すであろうフランス人がどういう気持ちで見ていたのか大変気になったところです。
 もっとも笑えたのは「メルシー体操」なる不思議な体操でした。体操それ自体も不思議ですが、何をもってこのネーミングに至ったのかを考えると、これまた想像力をかき立てられます。字幕では予想通りMerciと訳されていましたが、本当にMerciでよいのでしょうか。方言に「めるしい」とか「めるし」という言葉がないかと思い検索しても特にそれらしいものは見あたらないようです。まさかですが「ヘルシー」が訛ったものでしょうか。Merciはフランスにいると一日に何回となく使う言葉ですので初めて聞いたときには、日本映画から何でフランス語が、と耳を疑いました。

日曜日, 11月 23, 2008

科学の祭典

科学の日の祭典に行ってきました。たまたま昨日TRAMの駅でポスターに気づき、少し興味があったので一度見てみたいと思ったのです。場所はどうせ大学だろうと思い、何も考えずに大学の駅まで行きましたが何もなく、結局ポスターを見つけた駅まで戻りポスターを近くでまじまじと確認したところ大学通り(rue de l'Universite)なるところで開催されている事がわかりました。ポスターが貼られていた駅の近くだったわけです。 この科学の日の祭典は、研究省なるところが企画しているようでフランス全土に渡る祭典のようです(www.fetedelascience.fr)。地域ごとにまとまって行うようで、モンペリエはラングドック・ルシヨン地域圏になります。そのインターネットサイトを見るとこの地域には11000人の研究者がいて論文本数の観点からするとフランスで5番目で、応用生物学と生態学では2番目、医学と化学が5番目などと書かれていて、そういうところなんだと、思う反面、日本ではこういう事は書かないかなと思ったりしました。最近、日本では小学校の学力試験の結果が話題になっていますが、大学や研究所の研究能力を研究業界の外にいる人がすぐわかるようにはなっていない感じがします(ISIのデータベースにアクセスできればクリック一つで発表論文数を様々に集計させてみたりすることはできますが)。中庭のような小さな会場には、この圏内にある研究所と大学が寄り合いでブースをいくつか出している感じでした。もう少し大規模な祭りを想像していた私は少し拍子抜けではありましたが、大人も子供も楽しめる感じがしました。科学と偽科学の定義から解説(大人向け)があったところが印象に残りました。すべてフランス語だったので完全には理解できませんでしたが何を伝えたいかと言うこととその雰囲気は伝わってきました。個人的にはブドウジュースの試飲アンケートをしていたINRAグループのブースに興味がありました。どんなアンケートなのか見せてもらいましたが、名前・性別・年齢など記入する欄があり、それからどんなジュースをいつ飲むかとかいった質問の次から、実際にブドウジュースを飲んで色は・香りは良いかどうか、を回答していく官能試験と言ったところでした。もっと若い頃にフランスのワインを知っていたら今とは違う業界にいたのではないかと思ったりもします。
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労働組合

フランスの職場には労働組合が複数あるらしい。写真は職場の食堂にある組合関係の掲示板。CIRADでは左から右へと主に5種類あるようです。メジャーなのがNationalとCIRAD固有の労働組合らしい。労働組合に入れば絶対に解雇されないとのこと。労働組合はフランス特有の歴史を引きずっているようだ。もともとは資本家と労働者の対決だったのだが、今は国と労働者の戦いになっているとのこと。話し合いをしても決裂することが多く。双方のトップは話をまとめたくても許されない雰囲気があるらしい。また雇用側は形式的に話し合いを持つだけではじめから自分の主張を通すことがほとんどのようだ。それで結局ストライキというのが定番のパターンとなるとのことだ。以上はCIRADの職員がぶつくさぼやいていた話であるが、本人は労働組合には入ってないとのこと。選択肢が多いのは良いことだが、内部で考え方の違いで割れてしまうと結局、職員の間に亀裂が入らないか心配になった(余計なお世話かもしれないが)。まぁその辺は個人主義のお国柄だから大丈夫なのだろう。日本の職場には幸か不幸か労働組合は一つしかなく、組合に入るかはいらないかを選択することしかできないので、もう少し選択肢が増えてた方が良いのではないかと思う。
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水曜日, 11月 19, 2008

スト

 有事に関連して、11月の第一週だったと思うが火曜日にトラムがストで動かないという事態になっていたのでそのとき感じたことなどを書いておきたい。小雨のぱらつく中、休みたくなる気持ちはあったが仕方なく歩いてバスの乗換駅まで行った。フランス人はスト(有事)になれているのか、特に混乱もなく人々は線路を歩いていた。こういうこともあろうかと私は職場まで歩いたこともあるので、歩いて職場まで行ったとしても昼には着くということはわかっていた。しかし雨の中歩くのはいやだったので、職場まで歩くという考えは断念してバスの乗換駅でひたすら待っていた。30分から一時間くらい待ったところで、運良くバスに乗り、通常より1時間半遅れくらいで職場に着くことができた。バスの運転手は途中対向車線を走る仲間のバスと立ち話。バスの運転手は窓越しに挨拶かわりのおしゃべりをするためにバスを止めるのである。これはストの日に限ったことではなく、平日でもたまに見かける光景ではある。そして、後続車も特にクラクションを鳴らすこともなく、バスが止まっている間、止まっている。何とも鷹揚に感じてしまうのは私が日本で育ったからなのだろうか。
 職場での会話で、大変だったのではないかと気遣ってくださったので、「たまには歩いた方が健康には良い」と少し冗談をまじえて言うと「フランス人はストがあるから健康なのさ」と返されてしまった。しかしこれは意外と真実なのかもしれない。有事になれているというか、予定外のことに柔軟に対処できるような体制ができているのかもしれない。ただしフランスでストは予定外のことではないとは思うが、とにかく鷹揚な雰囲気が社会にある感じがする。

試験送信(TEST) 緊急一斉通報 試験運用

 突然舞い込んできた意味不明のメール。タイトルだけを見てゴミ箱に即刻捨てようかと思ったが怖いもの見たさ的な誘惑に駆られて中を見てみた。
 「こちらは、在マルセイユ日本国総領事館 緊急一斉通報の『テストメール』です。」
なんだ、そういうことかと思った反面、有事の時にメールが使えるのかどうかがわからないよなと思うと少し滑稽ではあった。そういうことが起きたらどうしたらいいのかと考えるきっかけにはなったが。有事の時どうするかなんて夫婦でも話し合ったことがなかったかもしれない。お互い歩いても帰れる距離に職場があるのはありがたかった。相棒の心配をよそに暢気に有事を生きている気もする。

月曜日, 11月 17, 2008

日本酒パーティ

 この週末は職場の人と一緒に、日本酒を味わいました。こちらのフランス人たちは日本酒というのはとても強い酒だと勘違いしていたので、その認識を改めてもらおうと思い、相棒に頼んで日本から地元でとても私がおいしいと思っている酒を持参してもらったものです。勘違いを引き起こしている理由は焼酎もしくは紹興酒と日本酒を彼らが混乱していることによるようです。こちらのレストランで日本酒を頼むととても強い酒が出てくるらしいのです。彼らが語ってくれた日本酒のうんちくは、まず水のようだというもので、ワインと比べると、ワインはまず最初が重くてそれから後に次第に軽くなって心地よくなるのとは対照的だとのこと。まぁ持参した日本酒が軽めのものだったと言うこともあるのですが・・・。芋焼酎も試してもらいましたが、フランス人は焼酎程度ならストレートで飲むようです。お酒に関しては少しインパクトが足らなかったようです。
 お好み焼きも作って持参したのですが、こちらの方は好評でした。頑張って作った甲斐がありました。お好み焼きの粉は、これまた相棒が持参してくれていたものです。ただ秤がないので100gとかどのくらいの量になるの見当がつかず、かなりいい加減で、本当にうまくできるか心配でした。前回ホストファミリーにお好み焼きを食べてもらったときは相棒が材料を混ぜていたので、そのときにきちんと見ておけば良かったです。適当でも何とかなることがわかりました。日本の御飯(ジャポニカ米)のレトルトパックと昆布の佃煮、エビ煎餅も好評でした。昆布の佃煮の中に入っていた山椒が特にお気に入りのようでした。山椒はとりあえずJapanese peperと言うしかなく、私が肌身離さず持ち歩いている電子辞書にもpoivre du Japonと書かれているに過ぎません(「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という例文のフランス語にフランス人たちは笑っていました。理解できないフランス語訳だったようです)。フランス人にとって日本のものは未知なもののようです。とにかく衝撃的だったようです。たぶん私がフランスに来てフランス料理に衝撃を受けたのと構造は同じなのでしょう。

土曜日, 11月 01, 2008

Halles de la Pailladeの朝市

モンペリエ北部で最大と職場の人が言っていた朝市に行ってきました。MossonのちかくのHalles de la Pailladeというトラムの駅前で毎週土曜日に朝市が開かれているらしいのですが、人の多さにまずびっくりしました。上野から御徒町の商店街に匹敵する人混みです。スカーフで髪を覆った女性が多くイスラム社会であることがわかります。この地域はもともとアルジェリア戦争の時の引き揚げ者の受け入れのために開発された地域だったようですが、いつの間にか低所得地帯になってしまって、そのおかげで物価も安いとフランス人が言っていました。青空市場はほとんどが服屋さんですが調理器具(クスクスの蒸し器もあった)や食器(アフリカ系の雰囲気)、布生地・絨毯やベット・音楽CD(やはりアフリカ系)やヘアードライヤーのような電化製品も売っていました。  青空市場とは別に大きなホールも駅前にあってそちらでは食料品店が軒を並べています。八百屋さん・肉屋さん・魚屋さん・パン・ケーキ屋さん・総菜屋さん(中華もあり)・ピクルス・ハーブ店・ドライフルーツ屋・ワイン蔵・チーズ専門店と、まぁ何でもありです。この食品市場も結構大きいです。肉屋さんは扱う肉により、さらに細分化されている感じです。鶏肉屋さんで見かけたのがウサギの肉です。ウサギ一匹丸ごと(肝臓?も)が陳列されていました。これにはさすがにびっくりです。はじめは巨大なカエルかと思ったのですがLAPIN(ウサギ)と書いてあるし、姿も確かにウサギです。目が大きくて目立ちます。不謹慎ながらお店の人にお願いして写真を撮らせてもらいました。他の鳥たち(ニワトリやハト)も丸ごと(ニワトリは長い首からトサカも含めて本当に丸ごと)で、その姿を見ると食欲が失せてしまいます。さらにもっと大きなケダモノの肉を扱うお店ではキーンという虫歯の治療をするときにきく音が聞こえます。肉を回転刃物で切断するときに骨が切断されて出る音だと思います。ただし姿から動物が想像できる物はなく、だいぶ解体された状態で陳列されていました。かなり血なまぐさい臭いに辟易としつつも、これがいつもおいしいと思いながら食べているもののなのかと少し感慨深い物がありました。ウサギの肉は何回か食べましたが、あっさりしていて鶏肉に似ています。職場の食堂でも出てきますし、町なか(Polygone)のショッピングセンターの総菜売り場でも見かけます。
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