有事に関連して、11月の第一週だったと思うが火曜日にトラムがストで動かないという事態になっていたのでそのとき感じたことなどを書いておきたい。小雨のぱらつく中、休みたくなる気持ちはあったが仕方なく歩いてバスの乗換駅まで行った。フランス人はスト(有事)になれているのか、特に混乱もなく人々は線路を歩いていた。こういうこともあろうかと私は職場まで歩いたこともあるので、歩いて職場まで行ったとしても昼には着くということはわかっていた。しかし雨の中歩くのはいやだったので、職場まで歩くという考えは断念してバスの乗換駅でひたすら待っていた。30分から一時間くらい待ったところで、運良くバスに乗り、通常より1時間半遅れくらいで職場に着くことができた。バスの運転手は途中対向車線を走る仲間のバスと立ち話。バスの運転手は窓越しに挨拶かわりのおしゃべりをするためにバスを止めるのである。これはストの日に限ったことではなく、平日でもたまに見かける光景ではある。そして、後続車も特にクラクションを鳴らすこともなく、バスが止まっている間、止まっている。何とも鷹揚に感じてしまうのは私が日本で育ったからなのだろうか。
職場での会話で、大変だったのではないかと気遣ってくださったので、「たまには歩いた方が健康には良い」と少し冗談をまじえて言うと「フランス人はストがあるから健康なのさ」と返されてしまった。しかしこれは意外と真実なのかもしれない。有事になれているというか、予定外のことに柔軟に対処できるような体制ができているのかもしれない。ただしフランスでストは予定外のことではないとは思うが、とにかく鷹揚な雰囲気が社会にある感じがする。