月曜日, 12月 22, 2008

ワインへのこだわり

 先週、プロジェクト報告会でボルドーへ出張したときのことである。ボルドーと言えば高級ワインの産地な訳ですが当然ながらシャトーを見学したりという時間があるわけではなく、よりによってというか、ボルドーまで来てなぜかチャイニーズレストランで夕食を取る羽目になってしまいました。そこで注文した赤ワインが少し冷えすぎの状態で出てきました。ボス曰く「これは高級なワインなのだ。こんなに冷えていては香りが楽しめない。支払うわけにはいかない。」と言う。支払うわけにはいかないというのは半分冗談だろうと思って聞いていたが、なんと本当に店と交渉して半額にしてしまったのです。フランスでボスを務めるにはこれくらいの交渉力が必要なのかと思う反面、ワインへの熱い思いを垣間見た気がしました。
 そしてその翌日の昼食、関係者の40~50人くらいが懇親会兼・昼食を取ったときのこと。当然食卓には昼まっぱからでもワインが並ぶ(この光景にはもはや驚かない)。午後にまだプログラムが残っていようが関係ない。食事にはワインが欠かせないのがフランス人なのだ。ワインのためには車の運転も許可されるのがフランスである。厳密なところはよくわからないがグラス一杯くらいなら飲んで運転しても飲酒運転にはならないらしい。その解釈が適当っぽいところも何とも彼ららしいのだが・・・。ここで出てきたワインは研究所で造っているのかINRAと書かれている。日本の研究所へのお土産候補として良いかもと思いつつもこの日の午後に発表を控えていた私はあまり飲むわけにもいかず少し残念ではありました。たぶん研究所でもワインの研究が盛んに行われているのでしょう。
 そして昼食も終わり、午後のプログラムが始まったときのこと、昼にワインが余ったのか、ボトルを腕に抱えて現れた女性がいました。ヨーロッパで初めて樹木のSNPプロジェクトを立ち上げたという研究者です。机の上にこそ置かなかったものの床の上にしっかりボトルキープしていました。やはりこの人にもワインが必須なのかと思いつつ、あの美貌で集団遺伝のシミュレーションの話をしつつ床上にはボトルキープという光景にはただ圧倒されるだけでした。