松村喜秀氏が日経BPネットに書かれたコラム(マナーの悪い不良外国人に「喝!」)を読んだ。氏の思いの丈がつづられているので、何を根拠に仰っているのか不明な事がしばしばあるのが気になるところだ。それは置いておいて、この”不良”外国人の話に思わず吹き出してしまったので紹介したい。その話は築地市場を見学する外国人観光客の話なのだが、運搬車の荷台に乗ってはしゃいだあげく注意されても臆することなく日本人を馬鹿にしたような物言い(「わたしはフランス人です。あなたの名前は何ですか」)をしたというものである。このフランス人というところを読んで吹き出したわけだ。フランスの若者なら致し方ないと思う。すべての若者がそのような行為をするとは思わないけれど、トラブルを避けるためには禁止事項を事細かく定め、それぞれペナルティも定めた文書を明示して承諾していただいた上で見学してもらう必要があるのではと思う。
フランスの若者に関してはフランス人自体がお手上げ状態で、私の職場では「フランスの子供たちを日本に送って教育してもらいたい。」とこれまた冗談抜きで真剣に言われる始末なのである。職場で聞いた話ではあるが学校の先生が下手に子供に注意すると裁判沙汰になるそうだ(どこまで本当なのかは未確認ではあるが実際のニュースをネタに説明してくれた)。そういうわけでほとんど手がつけられないらしい。
”不良”かどうかは抜きにしても日本とフランスではかなり文化の違いがあるのは事実だ。ショッピングセンターへ行けば日本ではあり得ない光景がたくさん見られる。それでも社会は回っていくのだから、ある意味、とても気楽ではある(肩が凝らなくて良いです)。モンペリエのショッピングセンターでよく見る面白い光景としては
1、会計を済ませてなくてもマイバッグに商品を入れる(ほぼ常識)
→レジでおもむろにマイバッグから商品を出して会計を済ませる。
2、会計を済ませてなくても歩きながら食べたり飲んだりする(ちらほら)
→レジで食べさしの商品を普通に会計してもらう(何の問題も起らない)
3、ショッピングカートに子供を乗せる(当然土足で)
→そのカートに気にせず食品も載せる
4、商品の封を開けて匂いを嗅いだりする(石鹸とか香辛料とか)
5、おもむろにブドウを試食する(ほぼ常識)
→ブドウ売り場はかなりカオスなことに
ショッピングセンター自体の作りも日本とはかなり異なり、食品、本・CD、衣類、大工道具・観葉植物、電化製品がすべてが同じ階(日本で言うところの一階)にあって会計も最後に一度で済ませる形式なのでかなりカオスなのだ。しかしこれは結構便利で日本なら、大工道具は○○、食品は××、はたまた本は△△と、毎週週末はドライブする羽目になるのだが、その必要がない(モンペリエをドライブしたくても車がないという話はとりあえず置いておきます)。
ついでなので町なかの面白い光景も挙げておきます。
1、タバコ(火のついたまま)のポイ捨てと歩きタバコ(常識)
→タバコが燃え広がる事があります
2、トラムやバスの椅子の上に土足をのせる事(しばしば)
3、父親の膝の上に子供が土足で乗る事
→たぶん土足に対するとらえ方が日本的な考え方とは完全に違います。
4、人前でもお気軽に鼻をティッシュでかみ、そのティッシュはポケットにおもむろにしまう事(男女共通)
→ティッシュは決して捨てずにぐしゃぐしゃになるまで使用可能な模様
→アレルギー性鼻炎が時々発症する私にはありがたい風習です。
5、ところかまわずキスを交わす事
→それなりに絵になる光景ではありますが、満員バスの中で超ディープキスを永遠と交わし続けたカップルがいました(これには完全降伏)。あのまま収まりがつくのかと余計な心配をしてしまいます。
6、バスの運転手が携帯電話に夢中で乗客が降りるバス停を通り過ぎる事
→バス停を通り過ぎる事はまれな事ですが、携帯しながらとか音楽聞きながらの運転は普通にありです。
7、バスに乗っているのかスポーツカーに乗っているのか錯覚する事
→バスの運転手によりますがどこかにしっかりつかまっていないと危険な事があります。
8、自家用車は走ればOK。ディーゼルエンジンは常識。
黒煙上げようと、ぶつけようとあまり気にしてなさそう。
狭い場所へも気にせず駐車(新車を買うといつぶつけられるかとかなり心配なのだそうですが、土地が狭いから仕方がないのだとか・・・)。
面白い話は永遠に続く感じもしますが、この辺でやめておきます。
不思議の国、フランス。楽しさ満載です。
(フランス人が日本を見るとき、不思議の国・日本を見ている事は間違いないと思われます)