土曜日, 8月 02, 2008

南仏から見た日本

 こちら(モンペリエ)の研究所に来たてのころによく聞かれたことがある。「なぜフランスに来たのか」という質問である。空港に迎えに来てくださった研究員の方に車の中で「日本から来るとは思ってもいなかった。」と言われたときには意外な感じがしたものだが、確かに街中でもほとんど日本人らしい人は見かけない。研究所に限っても日本出身者は過去に数えるくらいしかいないようだ。それに日本車も街中でほたまにしか見かけない。
 研究室の構成はいまだに良くわからないけれど実験系と解析系に別れているような感じがする。ボスは一人で全体を統括している。私のいるのは実験系のほうでメンバーは職員二人と院生5人と私である。院生5人のうち女性三人がアフリカ(ガボン、ドーゴ、ニジェール)出身であり男性二人が「フランス人」である。フランス人のうちの一人の父方はモロッコからの移民だそうだ。メンバーはこんな感じなのであるが意外と日本語を知っていた。「コンニチハ、アリガトウ、スシ」などは朝飯前。びっくりしたのはショーグンとかゲーシャという単語を知っていたことである。どうやらテレビゲームの影響らしいのだが・・・。チヒロとかトトロとかミヤザキも良く知っていた。これを知っていたのはリヨン出身の院生で自分が日本へ研究しに行くことはできるのかと聞くので、日本には海外の研究者用のファンドがあるということを伝えておいた。彼は"I want to discover real Japan."と言っていた。彼は日本を見てどう感じるのだろうか。
 トーゴ出身の院生からは「日本のオフィシャルランゲージは英語なのか」と聞かれた。それから「日本には言葉がいくつあるのか」という質問も受けた(方言があって理解できないこともあると伝えておいたが・・・)。それから話をしてわかったのだが彼女の常識からすれば英語を話すヤポネを見れば確かにそういう発想になるのだ。彼女の国にはとてもたくさんの言葉があり同じ国でもコミュニケーションできないくらい違った言葉らしく、何とかフランス語を介してコミュニケーションするらしいのである。ドーゴは過去にフランスの統治を受けた国なのでオフィシャルランゲージがフランス語なのだろう。
 男性職員のフランス人からはSINA-RINGOを知っているかと聞かれたのだが、何のことだかさっぱりわからず、そのほかアーティストの名前についても私の方が知らないくらいだ(私が知らなさ過ぎるというのはあるのだが)。SINA-RINGOというのは椎名林檎のことのようだ。結構こちらでは人気があるらしい。

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