表題は「どこの国でポスドクをしましたか?」というアンケートの設問の一つです。たまたま職場のメーリングリストでまわってきたのですが、結果の詳細は La Toile des Biologistesに掲載されています。ボランティアで運営されているサイトのようなのですがフランス語を話す人々(Francophone)がどこの国でポスドクをしてきたかがわかります。対象は生物系で回答数は122です。実に7割近くがフランス国外でポスドクをしていることがわかります。もちろん最多はフランス国内、続いてアメリカ、イギリス、カナダ、スイス、ベルギー、オランダと続きます。英語、もしくはフランス語が通じる国が上位に位置します。
これに興味を持って日本の状況がどうなっているのかと思って調べてみたところ、学術振興会(JSPS)のサイトに統計が出ていたので紹介します。PDの分だけですが国内と海外の分を組み合わせて平成21年度分についてです。分野別にばらつきはありますがまず理系も文系もひっくるめた数値です。平成21年度は特別研究員(国内)に322名、海外特別研究員に132名が採用されています。国別の内訳が下の図になります。
想像はしていたのですがやはり圧倒的に国内、そしてアメリカへ行く人が多いようです。「日本人はアメリカに行くんじゃないのか?何でフランスなんかに来たんだ?」とか聞かれたこともありますし、「日本の公用語は英語か?」と聞かれたこともあります。もっともJSPSが支援するポスドクは圧倒的に国内向けなので、海外のグラントで国外に出ている人がどれほどいるのか実際のところはわかりません。分野別に見てみると
化学と生物で海外の割合が高く、人文と社会でその割合が特に低いのがわかります。
研究するのには日本にいても十分できますし、研究設備は逆に日本の方が良い場合もあったりしますが、その業界で世界をリードしている研究者のもと仕事をすることでえられるものは大きいです。研究の国際的な枠組みを意識することも有意義ですし、何よりも海外の研究者と個人的な信頼関係ができるのは心強いところです。
日曜日, 1月 24, 2010
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