月曜日, 4月 27, 2009

畏れ慄いて

 先週は半袖で過ごしたいような初夏の日から、その翌日は北風が吹き下ろして急に寒くなったり、変な天気でした。そしてこの週末は雨がちで外へ行くのがためらわれて、空模様を気にして最低限の外出。しかも今日の日曜日は朝から夕方まで雨でした。ちょうど同じ部屋のAlexがAmélie NothombのStupeur et tremblements(アメリ-・ノートン「畏れ慄いて」)のムービーを貸してくれたので部屋で映画鑑賞をしました。

 これは以前、日本のカイシャを描いた大ヒット作があるのだけど、ということでフランス人たちからその内容を聞かされコメントを求められて以来、一度見てみたいと思っていたものでした。本はすでに手に入れておいたものの「ハネダ氏はオーモチ氏の上司で、オーモチ氏はサイトー氏の上司で・・・」と始まる冒頭ですでに私の頭は混乱して読む気を失い、そのまま積ん読してしまったので映画はとてもありがたいものでした(映画を見たあとで本は読みました)。映画ではアメリーがヘマをしでかすたびに上司から罵声を浴びせつけられる事が繰り返されるので見ていてもあまり気持ちの良いものではありません。その点、本の方がよいです。

 感想ですが、この作品に出てくる日本のカイシャはかなり風刺化されていると思います。しかし程度の差こそあれ、どの組織でもありうることなのではないでしょうか。これは著者のアメリーが日本の企業で働いた経験がもとになっているとされてはいますが、どこまでがありそうで、どこからが誇張かは日本人でないと判断が難しいでしょう。実際のところはアメリーが想像を働かせて日本のカイシャで西洋人が日本の文化を知らずに彼らの良識にもとづいて受け答えするとどうなるかということを書いたのかもしれません。例えばアメリーがヘマをすると一生懸命にその理由を述べますが日本人には言訳としてしか受け取られずジョークを飛ばすこともないので、どんどん雰囲気がわるくなるわけです。

 私もアメリ-ほどの文才があればフランスでの体験を面白く小説にできるのかもしれないですが、残念ながら駄文をつづるのが精一杯ですね。「畏れ慄いて」というのも実は意味深なタイトルです。

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