ボルドー地方は最近また雨が多くなってきました。今日は晴れたり雨が降ったり雹が降ったり、晴れてても風が冷たかったりしてまだまだ外へ出かけたい気分にはならない天気に逆戻りです。日曜日と祝日に研究室へ入るにはアラームを解除しないといけなく、やっかいなので基本的に家でのんびり過ごします(知らずに入ると警報が鳴って大変なことになります)。家ではテレビがないので日本のアニメのDVDを見ることが多いです。フランスでは日本のアニメが席巻していてます。本屋さんでは一角を占めていてなかなか誇らしいところです。そのなかでも特に多いのがMIYAZAKIアニメなのです。フランス語のタイトルは日本語のタイトルと変わっていたりするのでフランス人と話していて何のことか一瞬わからず戸惑うこともあります。
今日は「天空の城ラピュタ」から少し気に入っている場面を日本語と共にフランス語バージョンと英語バージョンでメモってみました。宮崎アニメに関してですがラピュタに限らず概して言うとフランス語はかなり日本語に忠実な感じですが英語バージョンは翻訳だけでなく音楽・効果音も含めてかなり違った作品に仕上がっている気がします(この点に関してはいろいろ書きたくなる場面がたくさんあります)。ただ英語版は字幕と実際に聞こえてくる台詞がかなり一致しているところが良いところで、一方のフランス語版は字幕と声はだいぶ異なります。いずれにしてもきちんと聞き取っているか不安なところもあります・・。フランス語は語彙力の不足から理解できないことが多いのですが、音を聞こえたまま、辞書で調べると近い単語に行き着けたりします。その反面、英語はどうしても聞き取れないものがあります。
前置きが長くなってしまいましたが、最後の場面でのシータ(Shita/Sheeta)の台詞です。
日本語版シータの台詞
今、ラピュタがなぜ滅びたのか、私よくわかる。
ゴンドアの谷の詩(うた)にあるもの
「土に根を下ろし 風と共に生きよう
種と共に冬を越え 鳥と共に春を謳おう」
どんなに恐ろしい武器を持っても、
たくさんのかわいそうなロボットを操っても、
土から離れては生きられないのよ。
フランス語版シータの台詞
À présent je sais pourquoi Laputa a été détruite
Comme le dit une chanson à Gondoa
«Plonge tes racines dans la terre,
Laisse nous vivre avec le vent,
Passe l'hiver comme les graines
Et chante au printemps comme les oiseaux»
Pour vivre on a pas besoin de semer la mort,
et on a pas besoin d'un millier de misérables robots
mais personne ne peut vivre loin de la terre
フランス語からの直訳
今私はなぜラピュタが破滅したのかわかる。
ゴンドアの歌がそう言っているように。
「大地に根を突き刺して、風とともに生きよう
種のように冬を過ごして 鳥のように春を謳おう」
生きるために 死をまき散らす必要はなく
たくさんのかわいそうなロボットの必要はない
しかし人は大地から遠く離れて生きることはできない。
英語版シータの台詞
Now I understand why the people of Laputa vanished.
There is a song from my home in the valley of Gondoa that explains everything.
It says:
"Take root in the ground, live in harmony with the wind, plant your seeds in the Winter, and rejoice with the birds in the coming of Spring."
No matter how may weapons you have, no matter how great your technology might be, the world cannot live without love.
英語からの直訳
今私はなぜラピュタの人々が消えたのかわかる。
全てを説明するゴンドアの谷の私の家に由来する歌がある。
それは言う:
「根を大地の中に持って行き、風と調和の中に生きよう
冬に種を植えて 春の訪れに鳥と喜ぼう」
どれほど多くの武器を持っても、どれほど偉大な技術があっても
世界は愛なしで生きることはできない。
この部分だけでも英語版がかなり異なっているのがわかると思います。特に最後の部分は圧巻です。私には「愛なしで生きることはできない」としか訳せません。初めて聞いたときは耳を疑いました。原文の「土から離れては生きられないのよ」にはかなり遠いです。逆に言うとここまで変えないと英米人は理解できないのかもと思ってしまいます。
月曜日, 4月 05, 2010
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